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女「えへへ♪」 男「そんなに三段アイス、食べたかったの?」 女「はい!さんだ~んアイスゥゥるるチョコミントバニラ黒胡麻~~~♪」 男「(黒胡麻が浮いてる…)あれ、女さん。ほっぺにアイスが」 女「ほえ?」 男「待って、動かないで。取ってあげるから」 ふきふき……… 男「うん、綺麗になった」 女「………あ、ありがとうございます」タタタ 男「?」 ヒュンヒュンヒュン……ゴッ!! 男「がはぁッ!!どこからともなく金属バットがッ!?」 不良「テェメェェェェェェ男コラ死にてェのかボケがぁぁぁぁ」 男「いてて………あ、子分さんだ。ぉつかれさまーす」 不良「アイサツなんかどーでもいーんだよオイコラァ!てめ、何番長のナイスパス華麗にスルーしてんだコルァ。急にパスが来たからかコルァ」 男「は?」 不良「番長のほっぺにアイスついてたらチューでとってねって合図にきまってんだろノータリンがぁ!!」 男「あ、そうだったの?ていうか、見てたの!?」 不良「ったりめーだろマジ死ねやボケェ!てめ、番長に指一本触れてみろ一生その指洗わせねぇからな」 男「でも、さっきはチューしろって」 不良「至極当然だろ死んで輪廻回ってもう一回番長と出会えコラァ!!もし番長に恥かかしたらどうなるかわかってんだろうな。 ドタマかち割って記憶喪失にして番長が一生テメェを看病すんぞコラ」 男(なんだかんだで女さんを慕ってるんだなぁ) 女「なにしてんだお前!!男くんに絡んでんじゃねェよ輪切りにして額縁に入れてオークションにかけっぞゴルァ!! ……って、なんだ。不良じゃない。あ、また男くんにちょっかい出してたんでしょ!ダメだってゆったじゃん!!」 不良「すんません番長!コイツがあまりにも不甲斐ねぇもんでつい」 女「それがお邪魔虫だっていうの!せっかく二人っきりだったのに。今度何かしたら、 ……干潮の九十九里浜に埋めるから。首だけ出して、縦に」 不良「マジ勘弁してください!!潮がぁ!潮が段々満ちてくるのに身体が動かねェよぉぉぉぉ!!」ダッ! 女「さて。邪魔者は追っ払ったし、行こっか、男くん」 男「は、はぁ……」 女「えへ、腕組みぃ♪」 男(………敵わないなぁ、この人には。色んな意味で)
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二 ○五十(さんした まこと) ■性別 女性 ■学年 2年生 ■ステータス 攻撃力:19 防御力:1 体力:5 精神力:3 FS(八重歯):2 『羅刹』 効果1:アイテムを破壊する 30 範囲+対象:同マス敵一人(空打ち可能) 0.7 時間:一瞬 1 非消費制約:金属製の武器※を所持している相手にしか効かない 0.3 効果2:攻撃力+4 8*4=32 範囲+対象:自分 1 時間:1ターン 1 効果3:通常攻撃 35 範囲+対象:同マス敵一人 0.7 時間:一瞬 1 消費制約:1ターン後自分死亡 55*0.7=38.5 効果数値:(30*0.7*0.3)+(32*0.75)+(35*0.7)=54.8 発動率:(100-54.8+38.5)*(1+2*0.1)=100.44 発動率:100% 成功率:100% ※対象となる金属製の武器 2 隼の剣 19 金属釘バット 26 貫きの槍 27 切り裂きの剣 33 斧 36 園長の斧 45~48 ナタ 49~51 必殺の刀 66~70 金属バット 89~100 ナイフ 能力原理 短時間だが、理性を抑え込み身体能力を大幅に強化する秘薬を飲み干す。 相手がもつ刀等の武器を噛み砕き、獣の如き力で攻撃を加える。 副作用により、しばらく暴れた後に死亡する。 キャラクター説明 剣道部所属の17歳。SかMかで言えばドM。 新撰組を思わせる羽織と白い鉢巻を身につけており、長い黒髪はポニーテールにしてまとめている。 好きなゲームは薄桜鬼。 その正体は一族のサンシタ率が99%を超えると言われる恐るべき魔人一族二(さんした)一族の一人。 大事なものを守るため、禁じらた秘薬を飲んで戦場へ赴き味方が逃げる時間を稼ごうとするが、 多少の善戦はするものの、結果的に多勢に無勢で蹂躙の末に殺される。 という妄想をして毎夜、色々なところを濡らしている。 秘薬と称して常に妖しく紅く光る液体の入った小瓶をもっているが、中身はアセロラジュースである。 「己の誠を貫くためならばこの命、惜しくなどない! ハァハァ……///」 応援 登場SS サンシタ野郎二家 昨日、近所の希望崎行ったんです。希望崎。(仮題) 進撃の蟹ちゃん! ソードマスター斉藤「最終話 希望を胸に」(仮題) 紅茶とケーキと読手拳(仮題) たたかえ蟹ちゃんシリーズ:最終エピソード☆二〇禾予抹殺 フラン(伊)とゴリラの大冒険エクストラ!!『vs蟹ちゃん:変わる未来、変わる世界』 イラスト サムネイル 投稿者 DT 村田ソフィア かりあげ 備考 with ルサンチマン with ルサンチマン with ルサンチマン サムネイル 投稿者 ぺんさん しろは 蟹ちゃん 備考 with ルサンチマン with ルサンチマン? しろはさん内定記念 サムネイル 投稿者 蟹ちゃん のし 村田ソフィア 備考 一、〇禾予、〇二八一、六九、○五十、スパイ:〇三七二三、十、四四 全員!番長G&転校生! 番長軍団!名前入り
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「だ、大丈夫かブロントさん!今助ける!」 突然のゲッタートマホークをくらい、さらにはその衝撃で倒壊したビルに埋もれてしまったブロントさん。 そんなブロントさんを助けようとリグレットが瓦礫の撤去をしていた。 生存は絶望的かと思われたその時である。 「おいィ~……おいィ~……」 「ブロントさん、無事か!?」 「オウフ……助かった感。とっさにカカッとインビンシブルを使った俺に隙はなかった!」 ブロントさんは生きていた。 ナイトのアビリティ、インビンシブル。無敵の名のとおり、物理攻撃に対して無敵になるアビリティだ。 これでゲッタートマホークを凌いだらしい。 「む、これは……!」 「なにがあったんじゃ!」 そんなところへ、師範たちが合流した。 ◆ ◆ ◆ ◆ 「己、神龍ニアラ、新生鷹の爪団! 許 ざ ん ッ !」 リグレットがここで起きたことを手短にまとめて話すと、師範は激怒した。 「ニアラは俺が骨にしてやったが、あのロボも危険なのは確定的に明らか。 まだ遠くにはいっていにいはずだ……」 「任せろブロント殿、拙が追ってそのせこいロボを屑鉄にしてくれるッ!」 「俺も行く。連中は一人残らず抹殺しないと気が済まん」 「スパロボ相手ならわしらもいかざるをえんのぉ!」 「……確かに、それほどの相手に戦力は多いほうが得策だな」 「ゲシュペンストがあれば……言っても始まらないか」 「私も行こう。たまご丼くらいなら振る舞える」 「私は……ごめん、ブロントさんが心配だからここに残るね」 こうして、激怒した師範を筆頭にブロントさんと妹紅以外の全員が新生鷹の爪のロボを追う。 その先に、師範と因縁のある最後の戦国武将がいることは、まだ誰も知らない。 【四日目・0時00分/新惑星・東京都】 【不破刃@Art of Fighting 龍虎の拳外伝】 【状態】健康 忍者 師範 すごい漢 首輪なし 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 0:新生鷹の爪団のロボを追って破壊する 1:すごい漢たちを集める! 2:全員の首輪を外したら、もう一度主催本部に乗り込む 3:せこい漢は必ず、殺す 4:己、如月影二! 許 ざ ん ッ ! 5:己、羽柴秀吉! 許(ry 6:己、クライシス帝国! ゆ(ry 7:己、新生鷹の爪団! y(ry 8:機会があれば元親とも決着を着けたい。 9:ミクトランたちとの合流を目指す。 【ストライダー飛竜@ストライダー飛竜】 【状態】健康 首輪なし 【装備】ライトセーバー@スターウォーズ、光剣サイファー、万能鎌クライムシクル、各種オプション 【道具】俺にそんなものは必要ない 【思考】 1:主催者の首を刈る 2:新生鷹の爪団のロボを追って破壊する 3:新生鷹の爪団を完全に抹殺する 【有栖零児@ナムコクロスカプコン】 【状態】健康、首輪無し 【装備】刀×2(火燐&地禮)ショットガン(柊樹)、拳銃(金) 【道具】不明 【思考】 0:新生鷹の爪団のロボを追って破壊する 1:妹紅に協力して、新生鷹の爪団、クライシス帝国を倒す 2:和尚とルガールはどこに行った? 【小牟@ナムコクロスカプコン】 【状態】健康、首輪無し 【装備】仕込み錫杖(水燐)、拳銃(銀) 【道具】支給品一式 【思考】 0:新生鷹の爪団のロボを追って破壊する 1:新生鷹の爪団を倒す 2:お の れ ク ラ イ シ ス 許 ざ ん って奴じゃな! 【ギリアム・イェーガー@スーパーロボット大戦シリーズ】 【状態】健康、首輪無し 【装備】89式5.56mm小銃@現実 【道具】『ヒーロー戦記』の攻略本@現実 【思考】 基本:主催者を倒す 0:新生鷹の爪団のロボを追って破壊する 1:戦いが終わった後、生きて再び刑事達と会う 2:できればゲシュペンスト・タイプRVの修理がしたいが無理だろうな…… 3:ヒーロー戦記もよろしく! 4:スーパーロボット大戦OGジ・インスペクターもよろしく! って、これは流石にマズイか…… 【リグレット@テイルズオブジアビス】 【状態】首輪無し、フードドーピング、ダメージ(大)、魔力消費(大) 【装備】ルーチェ&オンブラ@デビルメイクライ、アイスシールド@FF6 【道具】大量のたまご丼の材料、魚剣・デカッシュ 【思考】 0:新生鷹の爪団のロボを追って破壊する 1:協力者を集めて、クライシス帝国を倒す 2:元の世界に帰る方法を探す 3:殺人が必要ならば躊躇はしない 4:和尚とルガールはどこに行った? ◆ ◆ ◆ ◆ 「……」 「……ブロントさん、大丈夫?」 師範達が飛び出して少しした頃。 ブロントさんはまだ横になり、妹紅はその隣りで様子をうかがっていた。 「……黄金の鉄の塊でできたナイトにはこれぐらいチョロイこと。 妹紅、俺の心配はぜんえznいらないからお前も師範達を追うべき……」 「ねえ、ブロントさん……死なないよね?」 突然の妹紅の言葉にブロントさんは言葉を失う。 僅かに間が空いてしまうが、すぐさまいつもどおりに言い返す。 「おいィ……俺はこの通り無事なんですがねぇ?」 「私さ、大丈夫なように振る舞ってるけど、怖いんだ…… 私と関わった人は皆死んでいく。割と前からわかってはいたけど、KAITOに襲われた時本当にそう思った。 あのあと、なんとか立ち直れたけど……いまこうやってまたラグナとエリスも死んじゃって、ブロントさんも……」 「それはあの汚いニアラのせいで妹紅とは無関係。それにあいつらは俺たちを助けるために……」 妹紅の独白をブロントさんが遮ろうとする。 しかしさらにそれを遮り、妹紅の言葉は続く。 「……思い出したんだ、そのニアラも。それ、私を食べようとしていたドラゴンだと思う。 あの時、ちゃんと爆殺できたか確認してれば、そもそもこんなことにはならなかったはず……」 「いや、あいつはその後も何回か死んでは蘇生を繰り返してるからやはり妹紅とは無関係……」 「秀吉の攻撃でみんながバラバラになっちゃった時も、私がしっかりしてれば……」 「マップ攻撃を注意しただけで防げるやつは人間じゃないと思うんだが……?」 「あと隠してたけど…… 一人で災害にあった人の救助してるとき、糸目の男の人が合計で600人くらい目の前で死んじゃって……」 「そいつはカウントする必要はないのはでは?……ちょと僅かに多い気がするが」 「それから、それから……」 ブチッ 「メガトンパンチ!」 「ぐほっ!?」 延々と自分を責める言葉を続ける妹紅に、ブロントさんの鉄拳が飛んだ。 「な……」 「ネガネガするなと言っているもこ!全部妹紅のせいではなく不可抗力なのは確定的に明らか! お前は総統の遺志を継いで、貧弱一般人を守ってバトロワを終らせようと頑張る本能的にナイトタイプ。 そんなお前がネガやってたら内藤の俺はどうすればいいんですかねえ? 元々PTのメイン盾と言っておきながら気絶してる最中にデコに殺されるあるさま。 レイズを奢られても、PTメンの犠牲無しではニアラのような汚いドラゴンも倒せなかったんだが? 今回ので俺がナイト失格なのが確定したな。俺はただの黄金の鉄の塊で出来た鉄の塊だった感……」 「っ!メガトンパンチ!」 「ウォアー!?」 お返しとばかりに、今度は妹紅の拳がブロントさんに飛んだ。 「ブロントさんこそネガネガしてない!?」 「……何か言い返そうと思ったが時既に時間切れ状態。 結論としてナイトでもネガル時があるが今は前を見るべきということで完全論破されてしまったので以下レスひ不要です。 ゴオウフッ!! そこまで言って、ブロントさんが大量の血を吐き出した。 突然の吐血を浴び、妹紅は慌てふためいた。 この血の量は、やばい。 「え……ブロントさん!?」 「……すいまえん、実はインビンが微妙に間に合わなくてちょと僅かに少し致命的な致命傷を受けていた感。 さらに有効時間は30秒なのでついげきのビル瓦礫でさらにダメージは加速した。 だが俺は高位ケアルのつかいててでひっそり治療を施していたのだがそこに破壊力ばつ牛ンの目が豚パンチがやってきた。 俺は不良界でも結構有名でパンチでビビルことはまず無かったが生まれて初めてほんの少しビビった…… 喧嘩チームDRAKの頭である俺をびびらるる一撃のつかい手である妹紅は不良タイポでもあるとおもった。 お……俺はこのまま裏世界でひっそり幕をとじるる…… ウボァー」 【ブロントさん@ネ実】死亡かくに「し、しっかりしてブロントさん!私本当に死神になっちゃう!」 瀕死のブロントさんを担いで、やっぱりちょっと挫けそうな心をもたせ、妹紅は急いで治療できそうな場所を探すのだった。 「 【ブロントさん@ネ実】 【状態】決意、首輪無し、フードドーピング、瀕死、魔力消費(中)、胸部大裂傷(ケアル中) 【装備】竜殺剣グラットン(両手持ち) 、キングベヒんもス、ティアラ 【道具】支給品一式、無限のジュース、片手剣・ベジタブレード、天使の翼、星降る杖、氷輪丸 【思考】基本 主催者を倒して元の世界に帰る 0:回復できたら新生鷹の爪団を滅ぼすんだが? 1:貧弱一般人は殺さず退け、クライシス帝国を滅ぼす ※阿部さんに狙われているようです ※インビンシブルはあと2時間使用できません 【藤原妹紅@東方Project】 【状態】健康、全身に包帯が巻かれている、全身血塗れ、鷹の爪団員、強い決意、首輪無し、スターバスターを習得 【装備】チェーンソー、斬鉄剣 、秘宝75個 【道具】支給品一式、蜆、米の苗、将棋セット一式、ゾフィー直筆サイン色紙 、黒竜号 【思考】基本:戦いを止めたい。『生きる』 0:急いで治療できそうな場所を探す。 1:死んでいった者たちの遺志を継ぎ、人々を守り必ずこの大災害とバトロワを止める。 2:空気王、らきすたのデコ、新生鷹の爪団、クライシス帝国を倒す 3:さっきの放送で呼ばれた人たちは信頼できるのか?
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3ターン目後手 _1_ _2_ _3_ _4_ _5_ _6_ _7_ A B 愛の戦士・としかず 大瑠璃 なめ子 女良 桃乃 2nd 二六九 アキカン(サトリ) 蛇部 凛子 斉藤 カルティンヌ 組曲 長月 メルデサム C ヘイソ・ジャボ ★原 舞人 融合式ゆうこ 亡国の抹殺者 一 七 ★佐亜倉ひめ D 紅井 黄泉路 『 』 赤也 剛 E 翼虎 満点花 マルクルル 長月B6登場。 一七、C5移動、能力発動ボーナス+10、対象は『 』。D3移動。 → 失敗! 『 』、C2移動して、原を攻撃。 → 移動先不成立! 斉藤、その場で蛇部を攻撃。ボーナス+10。 → 失敗! 組曲、B5移動、能力発動。ボーナスプラス10、対象は蛇部。 → 殺害! 佐亜倉、C5移動。 生徒会「先攻はもらうぜ!俺のターン!赤也剛と翼虎を伏せてターンエンド!!」 <DP2/ボーナス230pt/持ち時間21分> キャラクター名 性別 攻撃 防御 体力 精神 FS 発動率 成功率 備考 蛇部 凛子 女 20 0 5 0 2 91 0 メガネ、死亡 大瑠璃 なめ子 女 10 1 15 0 2 80 100 中二棍、死亡 亡国の抹殺者 男 16 1 6 3 4 70 100 向精神薬 満点花 マルクルル 女 7 1 3 2 17 101 100 革ジャン 能力休み 愛の戦士・としかず 男 15 0 5 0 5 91 100 メガネ 女良 桃乃 2nd 女 12 0 0 3 8 88 100 KEEPOUT、死亡 翼虎 女 0 2 0 2 19 ??? ??? 騎士甲冑、死亡 原 舞人 男 1 1 6 4 20 90 100 CHANGE!!! リーダー 赤也 剛 男 4 3 0 4 7 ??? ??? ナイフ、死亡 融合式ゆうこ 女 19 0 6 2 2 102 100 コショウ ヘイソ・ジャボ 男 0 0 8 2 20 96 100 増援 番長G 『OSR番長グループ』<DP5/ボーナス141pt/持ち時間23分> キャラクター名 性別 攻撃 防御 体力 精神 FS 発動率 成功率 備考 ジャイアントキリングの斉藤 男 0 12 5 5 0 61 100 必殺の刀 カルティンヌ 処女 22 0 5 3 2 105 0 ナタ 二六九 男 18 0 0 3 7 91 100 時計の針 死亡 アキカン(サトリ) 無 3 4 3 3 18 98 100 革ジャン、死亡 『 』 女 20 0 3 3 0 ??? ??? 養命酒 明和久那子 女 0 0 8 3 20 75 100 向精神薬、永続戦線離脱 組曲 女 5 12 10 4 1 89 0 金属バット、能力休み(4T目まで) 紅井 黄泉路 男 12 0 4 3 6 ??? ??? 永続行動不能 佐亜倉ひめ 女 12 11 11 0 0 49 100 革ジャン リーダー 一 七 女 14 1 7 3 6 90→75 100 中二棍、明和をコピー 長月 メルデサム 男 14 7 7 2 0 74 100 増援 転校生 名前 性別 攻 防 体 精 FS 発 成 備考 不動金光 男 0 5 5 5 40 100 100
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1 「………こんなところに本当に手錠を持っている奴がいるんですかね」 湖后腹は目の前でそびえ立つセブンスミストを見上げながら佐野に聞いた。 「ついさっき春咲さんに聞いたところ、まだターゲットは店内にいるとのことでした」 「……そうですか」 そんなやりとりを終え、二人は店内へと入る。 セブンスミストの中は閉店時間が近いせいか、思ってた程に人はいなく、ガランとしていた。 「とりあえず、反応が二階から出ているとのことなのでまずはそこから調べて行きますか」 佐野の提案にわかりました、と湖后腹は頷く。 そんな中湖后腹は手錠を持っている人物はどんな者なのだろうかと、考えを巡らしていた。 湖后腹の遭遇した二人の男はまさしく不良といった感じであり、そういう奴らが好んで隠れ潜む場所は薄暗い廃工場や廃ビルと相場が決っているものである。 しかし、実際に手錠の反応があった場所はそんな所ではなくセブンスミストというファッションセンターからと来たもんだ。 あんな男らがこの時間帯に服を買いにきて、見せあいっこをしているとはどうも考えられない。それではまるでオシャレを気取って、服を買い漁りに来てる女子みたいではないか。 「……佐野先輩」 「なんでしょうか」 「先輩は手錠を持ってる奴はどんな奴だと思いますか?」 「そう、ですね………」 佐野はいきなりの質問にも動じず、すぐに答えを返した。 「私の考えでは、無関係の者が何も知らずに拾ってしまったんじゃないかと考えてます。どうもこう簡単に場所がわかってしまうのはどこかおかしいので」 つまり佐野は今手錠を持っている奴は不良達とはまったく関係のない者だと考えていた。 湖后腹もまったく同じ様な考えであった。 もし奴等が手錠に発信機が取り付けられてる事を知らなかったとはしても、何らかの警戒はするはずだろう。 湖后腹は手錠の在処がわかった時には不良の巣屈に乗りこむ事さえ覚悟していたというのに、実際はファッションセンターの中をただただ探索しているだけである。 これでは敵の所在を突きとめるというよりかは落とし物探しをしているかのようでどこか緊張感に欠ける。 「俺も何となく………ですけどそんな感じがします」 「ま、そんな事はすぐにわかることですよ」 それだけ言って佐野は携帯を取り出し、春咲に電話を掛ける。 「………ええ………はい……わかりました」 恐らく現在のターゲットの位置を聞いてる佐野に湖后腹は尋ねる。 「何か、わかりましたか?」 携帯を閉まうと、佐野は面白い事を発見してしまったかのように笑う。 「ええ、どうやら簡単に見つけてしまったようですね」 佐野の視線は湖后腹ではなく、違う方へ向いていた。 湖后腹は佐野の視線の先を見ると、 「まさか……あそこに……?」 そこには一つだけ使用中の試着室があった。 2 「フーフフ、フーフフ、フンフンフーン♪ フーフフ、フーフフ、フンフンフーン♪」 一人の少女は鼻歌を歌いながら服を着替えていた。 「これなんてどーかなー? んー、でも私にはちょっと小さ過ぎるかも……」 そんな風に買ってきた服を重ね合わせ、一人自画自賛する少女の名は|白高城天理《しろたきてんり》。 彼女が試着室にこもっておよそ三〇分が経過しようとしているが未だにお似合いのコーディネイトが見つからないのか試着室から出る気配はない。 「はあーー、ここの品揃えも落ちたものね……」 白高城は溜め息をつきながら仕方なしに風輪学園の制服を着なおそうとバッグに手を掛ける。すると服とは違う何かゴツゴツした物の感触が指先に伝わってきた。 (……?) 白高城は頭にはてなマークを浮かべながらバッグの中からそれを取り出す。 その正体は数時間程前に白高城が風紀委員に捕まった二人の男から回収しておいた手錠だった。 「あ……」 その手錠の存在をすっかり忘れていた白高城。 (あちゃー、すっかり忘れてたよ……この手錠のこと。どうせ半殺しにされたんだからあのバカ二人に渡しておけばよかった) あの時はノリで鞄のなかに突っ込んでしまったが後々考えるといらない、すさまじくいらない。 (どうしよーー ここに置いてっちゃっていいかな?) などと一人考えを巡らす白高城に丁寧な口調の男の声が試着室の外から聞こえてくる。 「風紀委員です。すいません、少しお伺いしたいことがあるんですが」 その声はまさしく試着室の中にいる白高城に向けられたものであった。 (え…? ちょっと待って? 今の声って、まさか……) 試着室の中と外を隔てるカーテンの隙間から外の様子を伺う白高城。 『先輩! ほんとにここでいいのか? もし違ったら……』 どこか不安気なツンツン頭の少年の問いに対して 『大丈夫ですよ 春咲さんの言ったことを信じましょう』 と自信満々の表情で銀縁のメガネを光らせる少年。 その光景を目の当たりにして白高城は目を背けざるを得なかった。 (ウッソーー!! あいつらって風輪学園の四位と五位、佐野馬波と湖后腹真申でしょ!? なんでこんなところに!?) 何でと言っても、心当たりは一つしかない。そう、例の手錠の件だ。 「あのー、聞こえてますか?」 再び佐野の声が聞こえてくる。 「ひゃ、ひゃい! 聞こえてますが、にゃにか!?」 あまりの突然の出来事に動揺して声が裏返る白高城。 何か変な喋り方だな……と、湖后腹が呟いた様な気もするが今はそれどころではない。 「実は、紛失した手錠を探してまして。場所を探知した結果、貴方の今いる試着室から反応が出たんですよ」 「へ、へえ~~、残念だけどわたしは知らないかなぁ~~」 (―――――って、まさか発信機内蔵されてたの、これ!? どうりで重かった訳だ……) 白高城は慌てて鞄の奥に手錠を押し込む。 「では今から、そこを調べますが構わないですよね」 「ち、ちょっと、女の子が着替えてる真っ最中にズカズカと乗り込んで調べるつもりなの!? いくら風紀委員でもそれは許されないんじゃない?」 「大丈夫ですよ、貴方が着替え終わるまでは待っておきます。 念のためあなたの荷物も調べさせて頂ますがね」 さらっと、とんでもないことを言い放つ佐野に白高城は思わず叫ぶ。 「はぁ!? 乙女の鞄を覗くとかあんたどういう神経してるのよ!!」 「しかし、最悪の場合を想定してどんなに小さい可能性でも潰していかなければいけないんですよ」 それを聞いて言葉を詰まらせる白高城に追い討ちをかけるように佐野は続ける。 「―――――それに、見せられない様な物が鞄の中に入ってる訳でもないんですし、ねぇ?」 (くっ……こいつ………!) 白高城の今の状況は八方手詰りといったものだった。 もし、正面突破で逃げ出したとしてもレベル4二人を相手にして逃げ切れる可能性は0に等しい し、このままでも鞄の中にある手錠を発見されて終わり。 (考えないと……どうにかしてこの状況を脱するのよ、白高城天理…) そこで一つの考えが白高城の頭に浮かぶ。 (けど………この手は……ううん、四の五の言ってる場合じゃないよね……) 「さて、着替えは終わりましたか? 終わったのならすみやかに出てください。勿論、荷物は置いてね」 佐野の言葉に白高城は応えない。もはや応える必要が無いのだ。 白高城は胸に手を置くとスッーと息を吸い呼吸を整える。 (いいわ……風紀委員の奴らに一泡吹かせてやろうじゃない) 僅かなる沈黙、それを撃ち破るかの様に 「キャーーーーー!!! 誰か、誰か助けてーー!」 店内全体に響きわたるかの様なかん高い悲鳴。勿論、それは白高城以外の誰のものでもなかった。 3 「―――――おう、んじゃそういうことだから宜しくな」 鉄枷はそれだけ言うと携帯を閉じる。 「これで一厘にも伝えたし、佐野と湖后腹には支部で話せばいいか」 春咲に続いて一厘に報告を終えた鉄枷は未だに風輪学園に向かっている途中だった。風輪学園までまだ距離があり、少なくともあと一五分は歩き続けなければならなかった。 完全下校時刻はとっくに過ぎているためか、周りには人気を感じさせるものもなにもない。 そんな中鉄枷は気になって仕方ないものがあった。 「……それにしてもぶっちゃけマジで痛いんだが」 そう、破輩に蹴られた右頬だ。 厳原に貸してもらったおしぼりは頬の熱を吸ってか生温かくなっており、頬を冷やすことすら叶わない。 「しゃあねぇ、ちょくらよってくか」 鉄枷は近くにあった公園のトイレに寄る。 トイレといっても流石は学園都市製、内部には自律掃除ロボも配備されており、常に清潔さが保たれていて、一点のホコリも感じさせない。 「うーー、冷水が傷口にしみるぞ、ぶっちゃけ」 洗面台で顔をバシャバシャと洗ったあと、鉄枷は鏡越しに自分の顔をまじまじと見る。やはり右側の頬が少し腫れていて、こんな季節だというのにオタフク風邪にかかったかのようだ。 「ぶっちゃけ破輩先輩も容赦ないよなーー、こんな二枚目を躊躇なく蹴り飛ばすなんて……」 などとぶつぶつ呟く鉄枷の視界に………いや、鏡に映る鉄枷の背後に――――― 「うおぉぉぉりゃあぁぁぁぁ!!」 一人の人間、しかも金属バットを鉄枷の頭を狙って思い切り振りかざす者がいた。 (なっ!?) いきなりのことに鉄枷は後ろを振り向こうにもからだが着いてこない。 次の瞬間、金属バットは鉄枷の頭をかち割った ――――――――――かに思えた。 しかしバットを振り払った中円の眼前に鉄枷の姿はなく、代わりに見えたものは勢いよく飛び散る鏡の破片。 中円が振ったバットが叩き割ったのは鉄枷の頭ではなくその奥にあった鏡だったのだ。 では当人の鉄枷は何処に消えたのだろうか、と中円は視線を下に向けると 「てっ、めぇ……いきなり何しやがるんだっ!!!」 頭にかかった鏡の破片を払いながら鉄枷は立ち上がる。 そう、バットが振り払われた瞬間、鉄枷はとっさに身をかがめて避けたのであった。 中円は本能的に危険を察知してか後ろに下がるとそれを追う様に鉄枷はトイレの外へと出る。 刹那、中円は追ってきた鉄枷の方へとくるん、と向き直すと再びバットを鉄枷目がけて振るう。 その動きはあまりに直線的で風紀委員として訓練を積んでいる鉄枷にとって容易く避けれるものだったが鉄枷は避けない……否、避ける必要がなかった。 今まさに自分自身に向けて振るわれているバットに対して、 「ぶっちゃけ効かねえよ!!」 左手の裏拳で対抗するように金属バットを殴りつけた。 バキィン!!と何かが折れ曲がる様な音が公園内に響きわたる。折れ曲がったのは鉄枷の骨ではなく金属バットの方であった。 その折れ曲がったバットは殴られた勢いで中円の手から離れ、放物線を描きながらすぐ近くの砂場に落ちていく。 そんな光景を呆気にとられながら見ていた中円は今の状況を理解するのに数十秒掛かった。 (おいおい、あれは鋼鉄製のバットなんだぞ!? それを生身で捩じ曲げるってことは肉体強化系の能力者なのか!?) そんな様子を見て鉄枷は満足そうに言う。 「へへ、何が起きたって顔してんな、あんた。特別に教えてやるぜ、これが俺の能力、金属加工《メタルイリュージョン》だ。 この能力の前ではどんな金属なんて粘土のように簡単に捩じ曲げることだって出来るんだよ」 「お前……随分と簡単に自分の手の内を晒しているが……敵の俺にそんな事言っていいのか?」 「はん、ぶっちゃけ風紀委員の俺が、不意打ちなんかしてくる卑怯な奴に負ける訳がねえからな」 その言葉にカチンときた中円は 「調子に乗ってんじゃねえええ!!」 鉄枷に向かって殴りかかる。 金属バットが武器として使えないならもはや頼れるのは己の拳のみ、中円は鉄枷の顔面目がけて右ストレートを放つ。 しかし中円の右腕は鉄枷の顔面に届くことなく、途中で止まった。というのも鉄枷の手が正確に中円の腕を掴んだからだ。 「くっ……! 放せっ!!」 中円は手を引っ越めようとするが鉄枷は放さない。 「その制服……お前|風輪《うち》の生徒だな? 俺を狙ってきたということはぶっちゃけ今日あったことに関係があるのか?」 「だったらどうした!」 中円は掴まれていた右腕を無理矢理に引き離すと、ある程度の距離をとる。 「テメェになんざ話す義理なんかねえよ」 鉄枷と中円の距離はおよそ五メートル。お互い相手の様子を伺い、微動だにしない。 中円はこの後どう動くかを考えていた。 (俺の攻撃は簡単に見切られちまうし、かといってこのままじっとしておく訳にもいかない……) そもそも最初の不意打ちに失敗した時点で勝敗は決っていたかもしれない。 風紀委員として訓練を受けた人間と、不良の幹部とはいえ戦いには不慣れな人間。まともにやりあったところでどちらが勝つかなんて目に見えている。 (けど……ここまで来ちまったからにはもう引き返せない。やるしかねえだろ中円良朝……!) 中円は覚悟を決め、拳を握り締めると一気に距離を詰めながら走り出した。 「うおりゃあああ!」 右の拳を横に振るうと、鉄枷はバックステップでそれをかわす。その勢いを緩めずに次に左の拳を振るうが鉄枷はまたしてもそれをかわす。 「ちょろちょろと避けんじゃねえ!」 必死に喰らいつきながら次々と蹴りやパンチを放つがどれも結果は同じ避けられて終わりだった。 中円の攻撃を紙一重でかわしながら鉄枷は提案してくる。 「なぁ、いい加減終わりにしないか」 「テメェ……何で反撃してこねぇ……舐めてんのか」 息切れをおこしながらも中円は声を振り絞って言う。 そんな中円を眺めると 「お前だって殴られたら痛いだろ? ぶっちゃけ嫌なんだよ、痛いのも痛みにもがき苦しむ人を見るのも」 鉄枷は当然の様にそう言う。 (な……) その言葉は今まで風紀委員を目の敵として見てきた中円にとって思いもよらないものだった。 中円にとっての風紀委員とは、ただただ自分の正義を押し通し、こっちの状況や考え、思いなどを理解出来ないし、しようともしない。 “上っ面の治安”を守ることで自己満足しているそんな下衆共。 そんな奴らがただ純粋に自分を殴る事を躊躇していることに中円は信じられない。 「はっ!! 自分の言葉に酔ってんじゃねぇよ偽善者! お前も所詮はクズ共と一緒で、俺を取り抑えられればそれだけで満足なんだろ?」 先程以上に息を切らせ、血走らせている目が中円の必死さを物語っていた。 「……ぶっちゃけあんたが風紀委員をどう思っているかはわからない。だけどよ……これだけは言える」 鉄枷は少し間をおいて 「俺を含めて一五九支部の奴等は絶対にそんなんじゃない!!」 ハッキリと言い切る。その表情に戸惑いや偽りは感じられなかった。その言葉を受け、面くらっている中円に鉄枷は語りかける。 「お前は何故“集金”なんてものをしてるんだ? 訳があるなら聞かせくれ」 一瞬躊躇いを見せる中円だが少しずつ話し始めた……いや、誰でもいいから聞いて欲しかったのかもしれない。―――――自分の今の状況を、考えを、思いを。 「……ただのならず者の集まりだった俺達のグループがおかしくなったのはつい一ヵ月前ぐらい前からだ」 鉄枷は黙って聞く。 「急に上の方から学園内の無能力者、低能力者を中心に“集金”を行えという命令が降りたんだ」 「……それでぶっちゃけお前はどうだったんだ?」 そんなもの答えは決まっていた。 「もちろん、嫌だったさ」 「なら―――――」 鉄枷の言葉を最後まで聞かずに中円は叫ぶ。 「けどっ!! けど……駄目なんだよ……もしそれに反対したら俺は上から追い出されることになる。あそこは……学校にも寮にもどこにもない俺の唯一の居場所なんだよ!」 鉄枷は掛ける言葉が見つからなかった。こんな風に追い詰められている人間にどう言葉を掛ければいいというのだ。 物思いに耽る様にうつむくと一つの提案をする。 「居場所ってのは何も一つじゃないだろ? お前が今の居場所が嫌っていうなら新しい居場所を見つければ―――――」 鉄枷の言葉は途中で中円の怒号に遮られた。 「ふざけるなっ!! 俺が今までどんな思いであの居場所での地位を維持してきたと思っているんだ! やっぱり風紀委員っていうのは何もわかっちゃいない……ただ偉そうに理想論を並べるだけの偽善者だ」 「そんな……俺はそういうつもりで言ったんじゃ……」 中円は先程砂場に落ちた金属バットを拾い上げると 「うるさい……お前の御託は聞き飽きた」 中円は足元の土を飛び散らせながら鉄枷の元へと走っていく。 「うおおおおおおお!!」 振り降ろされたバットを鉄枷は避ける、二発目も避ける、三発目も避ける。 (くっ……俺はどうすればこいつを救ってやることが出来るんだよ……どうすれば……) 中円の言葉は僅かだが着実に鉄枷の動きを鈍らせていた。 そこで鉄枷の動きに一瞬スキができる。中円にはその一瞬で充分だった。 「もらったぁあああ!!」 金属バットは鉄枷の空いた右脇に一直線に振り払われる。 鉄枷の能力、金属加工《メタルイリュージョン》は手で触れなくても自在に金属の形を操ることができる。 もし、右脇に金属バットが直撃したとしても能力を使えばダメージを0にすることができる ―――――はずだった。 バキィ!! と鈍い音と、同時に鉄枷の耳にミシミシと骨が軋む様な音が聞こえてきた。 そう、金属バットが見事に鉄枷の右の脇腹にクリーンヒットしたのだ。 「が、ハアッ!」 肺の空気が体内から押し出されるのを感じると次の瞬間には激しい痛み身体中に駆け巡った。 (どういう……ことだ!? 一瞬だが演算が働かなかった?) 鉄枷の頭は痛みでうまく回らない。 これが中円の能力、能力中断《AIMリセット》。周囲の人間のAIM拡散力場に干渉し、能力を一瞬だけ中断させる能力。 鉄枷の脇に金属バットが触れた瞬間に中円はこれを使って金属への打撃を有効化させたのである。 「く、ははははっ、どうだ風紀委員? これがあんた達がいつもやっている暴力による蹂躙だ。ハハハァ……うっ、うぅぅ」 中円の笑い声は途中で呻き声に変わっていった。 頭を抑えながらフラフラと中円はヨロメき、持っていた金属バットは手から離れて地面に落ちる。 (くっ……そ、これが“あれ”の副作用ってやつか……) 「おい、お前……具合悪そうだが……大丈夫……か?」 鉄枷は脇腹を押さえながらヨロヨロと立ち上がる。 「はっ! ここまできてまだ正義を気取る気かよ偽善者……テメェはそんなに深手を負ったんだから今にも俺をぶち殺したいくらいに腸煮えくり返っているんだろ!?」 「こんなもん……破輩先輩の蹴りにくらべりゃあぶっちゃけ屁でもねぇよ」 「このクソ野郎が……何でお前は……うっうううう!」 中円はフラつきながら一歩、もう一歩と後ずさる。 そしてある程度鉄枷と距離を取ると背を向け、一気に逃げ出していった。 怖かった。 いくら罵声を浴びせようが、バットで殴って痛めつけようが、鉄枷が自分に向けてくる変わらないただ真っ直ぐな瞳が。 「くそっ!! どうしてこんなことに!! こんなはずじゃ……」 中円の脳裏に今日ヘマをして一善に半殺しにされた二人の仲間の姿が浮かぶ。 あんな光景を目の当たりにして自分はそんなヘマを犯さないと誓ったはずだったのに、結果として風紀委員に自分の顔を明かすことになってしまった。 これがこの先どう影響していくのか、わかったものではない。 (俺は……これからどうすればいいんだよ………) 中円が走り去って一人公園内に取り残された鉄枷はしばらくの間呆然としていた。 鉄枷の頭の中では様々な疑問がぐるぐると渦を巻いている。 あいつは誰だったのだろうか、どうして自分を狙ったのだろうか、どうして―――――あんなにも苦しそうだったのか。 考えても答えは出ず、ただ時間だけが過ぎていく。 「とりあえず………支部に戻る事が先か」 鉄枷は血で滲んだ右の脇腹を手で押さえながら再び支部へと歩きだす。 足どりが重いせいか、風輪学園への距離が先程の倍以上に長くなったような感じがした。 4 「キャーーーーー!!! 誰か、誰か助けてーー!」 風紀委員としてこの悲鳴は結構聞きなれた言葉で、大抵の場合は助けを求めている人間が自分達、風紀委員に掛けてくる言葉だ。 しかし自分達がその悲鳴の原因となるのは湖后腹にとって思いもよらないことだった。 その悲鳴を聞きつけた店員や野次馬が何事かと駆けつけてくる。 「そこの二人の男が私を襲おうとしてるの………!! 誰か取り抑えて!」 その言葉を聞いて店員や野次馬の視線が佐野と湖后腹に集中したかと思うと、二人を取り囲むかの様に一気に押し寄せてきた。 「騙されてはいけません、私達は風紀委員です! こっちの話しを聞いて下さい!」 佐野の必死な呼びかけも野次馬達の罵声に掻き消され、伝わることはない。 (くっそ、どうして佐野先輩の言うことを誰も聞いてくれないんだ………) 湖后腹は試着室の方へ目を移すと先程女がいたであろう場所はカーテンが開いていて中には誰もいない。 「佐野先輩! さっきの女がいません、どうやらこの隙をついて逃げたようです!」 「またしても、やられてしまいましたね。 ここは私に任せて、君はその女を追って下さい」 わかりました、と湖后腹は返事をすると群がる野次馬を押し退けて階段を目指して突っ走る。 「まだそう遠くには行ってないはずだよな………」 カンカンカンとテンポよく階段を降りていくと携帯を取り出し、春咲に電話を掛ける。 『もしもし、湖后腹君………どうかしたの?』 「あっ、春咲先輩。手錠を持っていると思われる人物に逃げられました。今すぐに手錠の位置を教えて下さい!」 『わかった……』 湖后腹の要求に春咲はすぐに対応し、手錠の位置を割り出す。 『現在の手錠はセブンスミストから南に三〇メートル程度離れた場所で、どんどんセブンスミストから遠ざかってる……』 「あんにゃろう………逃げ切るつもりか……!」 湖后腹はセブンスミストから出ると南方向に向かって走り出した。 5 「ハァ……ハァ、ハァ」 息切れをおこしながら白高城は夜の街を走っていた。 手錠で場所を探知されているので、どこへ逃げても必ず追手が来るのはわかっているが、逃げずにはいられない。逃げるしかなかったのだ。 人気のない裏路地に入ると、乱れた呼吸を整える様に壁に寄り掛かり、僅かに膨らんだ胸に軽く手をあてる。 「ホントに……ツイてないわね、今日は」 近くの河原から轟々と水の流れる音が聞こえてくるが今はそんな音でさえも白高城にとってはうっとうしい以外の何物でもなかった。 白高城はいつまでもこの場所には留まる訳にはいかず、急な運動でふらつく足に鞭打って走り出した。 しばらく走ると白高城は何の変哲もないただの鉄橋まで着いた。 そんな時に唐突に聞こえてくる湖后腹の声。 「風紀委員だ! 用件は言わなくてもわかるよな?」 ついに追いつかれてしまった。 幸いにも辺りは暗くてお互いの顔はそこまでハッキリとは見えない上に白高城の服装は風輪学園の制服ではなく、先程セブンスミストで購入した服を着ていたので湖后腹に風輪の生徒だということは気づかれずに済んだ。 じりじりと迫ってくる湖后腹に対して白高城は鉄橋の柱に寄り掛かりながら 「あんた達が探しているのはこれでしょ?」 おもむろに鞄から手錠を取り出す。 「お前が……やっぱりそれを持っていたのか」 湖后腹の口調は重みを増す。 「まぁね、それで私をどうしようっての? 力づくで捻じ伏せて、無理矢理にでも奪う? 乱暴な男は嫌いよ」 「とりあえず……一緒についてきてもらうぜ、話しはその後で聞く」 「やーよ、貴方みたいな暑苦しい男と一緒に夜の街を歩いた所で少しも魅力を感じないもの」 軽口を叩く白高城にも動じず、湖后腹はただ距離を詰める為にと一歩ずつ進んでくる。 (このままじゃ……捕まるのも時間の問題ね) 白高城は時間を稼ぐ為に話題を切り出した。 「ねえ、貴方はどうしてわたしを捕まえようとするの」 「そりゃあ、お前等のせいで傷ついた人間がいる、理由はそれだけで充分だろ」 「ふーん……“お前等”……ね」 白高城の思わせぶりな発言に湖后腹は眉をひそめながら言う。 「何が言いたい?」 「貴方はわたし達の組織がどれほどの規模かも把握出来てないでしょ? それを単純に“お前等”なんて言葉で一括りにしてもいいのかなーって」 「ふん、どうせ学園内の不良共の集まりだろ? 大袈裟に言うなよ」 吐きすてる様にそう言うと更に一歩前へ踏み出してくる。 だが白高城は肩をすくめて、 「残念、私達の組織は各地の無能力者狩りの連中らにもコネがあるんだよん 本気を出せば貴方達の支部を潰すのだって訳ないんだから」 無能力者狩り、学園都市内部で能力者がスキルアウトなどの無能力者を主な標的として襲う行動。最近ではスキルアウトでなかろうと無能力者なら無差別に狙われるケースも増えてきているという。 そして、湖后腹が放課後に二人の男から守った少年もまた無能力者だった。 「お前等は学園内の無能力者を中心に“集金”ってのを行ってきてたってことか、だからこそ各地の無能力者狩りを行う奴等とも繋がりがある、違うか?」 「ご名答、ついでに言えば低能力者も私達の標的だけどね」 湖后腹はギリッと歯ぎしりすると、まるで親の仇にでも会ったかのような表情で白高城を睨みつける。 「お前等は……どうして平然とそんな事が出来んだよ!! 他人の痛みって物が理解できねぇのか!」 怒りの感情を現《あらわ》にする湖后腹とは打って変わって、白高城はただ平然とした面もちで答える。 「うーん、どうしてって言われてもねぇ……ま、貴方には一生わからないと思う」 「ふざけ…」 「あと、」 白高城は湖后腹の言葉を遮る様に口を挟んできた。 「“お前等”って、呼ぶのはあまりに抽象的過ぎでしょ 本来、私達の不良グループには名前なんてものはなかったんだけど、一ヵ月前“集金”が始まってからこう名乗ることになっているの」 「―――――復讐者《アヴェンジャー》、ってね」 6 支部に一人で待つ春咲は若干の胸騒ぎを感じていた。 先程、湖后腹に手錠の場所を伝えたというのに未だに手錠とその所有者を確保した、という報告がないことからすると手錠の回収に手間取っている。もしくは――――― 「返り討ちにされた……」 春咲は自分が言ったことを全力で否定するようにブンブンと頭を横に振る。 (湖后腹君は伊達に第五位やってる訳じゃないんだから大丈夫……) 春咲は湖后腹達のこともそうだが、もう一人心配している者がいた。 そう、鉄枷だ。 鉄枷がすぐに戻ってくると言って、もう四〇分以上が経過していた。 高等部女子寮から風輪学園までの距離は遅くても二〇分程度でいける距離だというのに、戻ってくるのに倍以上の時間がかかっているというのは明らかにおかしかった。 そう思いを巡らす春咲の後ろでガチャン、とドアが開く音が聞こえた 「鉄枷く―――――」 入口の方とへ駆けつけるとその光景に春咲は思わず息を飲んだ。 「ハハッ……すいません、ぶっちゃけ遅れてしまって」 鉄枷は純白のワイシャツを右の脇腹だけ真っ赤に血で染めて、入口の前で倒れこんでいたのだ。そんな姿は見てるこっちが痛みを感じそうなぐらいに痛々しかった。 「鉄枷君……その傷、どうしたの?」 春咲の問いに鉄枷はかすれた声を絞り出す様に返した。 「これっすか? いやーー、帰り道ですっころんでしまって、ハハハ……」 どうすれば転んで脇腹を怪我する事ができるのだろうか、そう春咲はツッコもうかと思ったが止めておいた。 鉄枷が下手な嘘をつく時は必ず何か理由がある。春咲は鉄枷との長い付き合いでそのことはよく理解していた。 「この傷のことはぶっちゃけ誰にも言わないで下さい。お願いします」 鉄枷はそう言いながら起き上がると救急箱が置いてある棚へと向かっていった。 春咲はそれに黙って頷いた。応急処置ということで傷に包帯を巻いていく鉄枷。 そんな鉄枷の頭の中で中円の言葉が響きわたる。 『はっ!! 自分の言葉に酔ってんじゃねぇよ偽善者! お前も所詮はクズ共と一緒で、俺を取り抑えられればそれだけで満足なんだろ?』 『ふざけるなっ!! 俺が今までどんな思いであの居場所での地位を維持してきたと思っているんだ! やっぱり風紀委員っていうのは何もわかっちゃいない……ただ偉そうに理想論を並べるだけの偽善者だ』 中円の言葉に全力で反対した鉄枷だが、実際はどうなのだろか。 もしかしたら中円の言う通り自分は治安を乱す奴をただ一方的に捕まえることに充実感を得ていたかもしれない。 そもそも自分が風紀委員に入った理由は何だったのだろうか。 (俺は………) 鉄枷の風紀委員に入った理由は治安維持だとか内申点の上昇だとかそんなこみ入ったものではない。もっと単純な――――― (そうか、すっかり忘れていた………) ただ、みんなの笑顔が見たかった。それだけのことだったのだ。 包帯を巻き終えると鉄枷はゆっくりと立ち上がった。 少しからだを動かすだけで鈍い痛みが小刻みに全身に伝わってくるがその程度の事を気にしてはいられない。 誰かを笑顔にする、それが鉄枷の目的だというなら偽善者と罵られようがやることは一つしかない。 (不良だろうがなんだろうが関係ねえ、あいつが苦しんでるなら………笑顔に変えるまでだよな) 7 「復讐者《アヴェンジャー》………だと?」 湖后腹は聞き返す様に復唱した。 「ま、名前なんてどうでもいいんだけどねーー。それよりこれ、取り返さなくていいの?」 白高城は湖后腹の目の前でこれ見よがしにプラプラと手錠を揺らす。 「そうだったな、返してもらうぞ」 「ええ、いいわよ」 じゃあ……、と手錠に向けて手を伸ばす湖后腹を尻目に 「ちゃーんと、返してあげるッ!!」 言うが早いか白高城は鉄橋から思いっきり手錠を投げ捨てた。 四つの手錠は宙をクルクルと舞いながら川の方へと落ちていく。 「なっ!?」 とっさの判断で湖后腹は磁力を使い手錠を引き寄せようとしたがその時には手錠は既に水の中に落ちてしまっていた。 「あららー、今日は川の流れも激しいからほっといたらあの手錠はどんどん流されていっちゃうんじゃない? あの手錠がなければ証拠不充分ということでわたしを捕まえることもできないわよねー?」 確かにその通りだ。 もしこの場で目の前の白高城を取り抑えた所で、『こいつが手錠を持っていた』という物的証拠がなく、目撃証言だって湖后腹以外に白高城が手錠を持っていた所を見た者がいないのだからあてにはならないだろう。 つまりは、白高城の指紋が着いた手錠を証拠として突きつけるか、手錠を媒介して読心能力で白高城が手錠を持っていたことを裏付けない限りは捕まえることは出来ないのだ。 「くっそ、また服を汚す破目になるのかよ」 湖后腹は毒づきながら靴を脱ぎ捨てると鉄橋の端のフェンスによじのぼる。 そんな湖后腹を見た白高城は信じられないといった様子で言った 「貴方………死ぬ気? 貴方がいくらレベル4の電撃使い《エレクトロマスター》だからといって水の中では能力を使えないのよ?」 電撃使いにとって自分が水に濡れている状態での能力の行使は下手をしたら水を伝って自身が電撃を浴びる危険性がある諸刃の刃。 つまりいくらレベル4だろうが湖后腹は水の中ではただの人間なのだ。そんな者が流れが早い川に飛び込んだらどうなるかなど目に見えている。 「わかっているよ………けど俺はこれ以上仲間の足を引っ張たくないんだ。それに手錠を取り戻したらお前も捕まえに行く、覚悟しとけ」 それだけ言い残すと湖后腹は鉄橋から飛び降りていった。 白高城はあまりに突拍子もない湖后腹の行動にしばらく呆然として 「プッ、アハハハハ。これは傑作、たかが手錠の為に川にダイブするなんて。フフフ、お腹……痛いよ」 子供の様に腹を抱えて笑いだした。 鉄橋には白高城の笑い声だけが静かに響く。 白高城はしばらくそんな光景を眺めると、 「さて、いいものも見れたし、帰るとしますか」 落ちていた鞄を拾い上げ闇へと消えていった。 (せいぜい死なないよう頑張ってね。 第五位のこ・ご・は・ら・君) 8 冷たい。 それがまず最初に水に浸かった時の正直な感想だった。身体中のありとあらゆる場所に水が入り込んでくる。 湖后腹はそんな冷たさに耐えながら手錠を探し始める。 白高城が投げ捨てた手錠は計四つだがその全てを集める必要はない。証拠としてなら一つで充分だからだ。 (一つだけ、せめて一つだけでいいから見つかってくれよ……!) しかし湖后腹の思ってた以上に川の流れはキツく、手錠を探すどころか流されまいと必死に抵抗するのが精一杯だった。 (畜生!! こんなんじゃ探そうにも探せねえよ) 轟々と流れる水の音だけが湖后腹の聴覚を支配し、冷たい川の水が身体の体温を徐々に奪っていく。 そんな時、湖后腹の僅か二メートル先にキラリと光る物があった。 濁った水のせいではっきりとはわからないがそれは確かに手錠の形をしていた。 (!! あった……!) 湖后腹は水をかき分けながらそこへ向かおうとするが川の流れに遮られ思うように進めない。それどころか、その手錠はどんどんと流されていき、湖后腹との距離は広がっていく。 (ちっ、くしょぉおおおおお!!!) 湖后腹は自分の身体の電気信号を操り、思いっきりバタ足をした。 一時的に増幅された脚の筋力は足元の水を蹴散らし、みるみるうちに手錠との距離を狭めていく。 そして――――― (……取った!!) 確かに手で掴んだものは風紀委員に支給されている近未来的なフォルムの手錠だった。 無事手錠も取り戻すことが出来て、後はこの川から出れば済むはずだった―――――が。 ズキン! と足に電流が走ったかの様な痛みが湖后腹の両足に訪れる。どうやら無茶をして脚の電気信号を操った反動が出たようだ。 (ガッ……こんな時に両足ツっちまうなんて……) 湖后腹には両手だけで陸まで泳ぐ程の体力は残されておらず、万事休すかに思われた。 そんな時 「何してんだ、湖后腹」 湖后腹の耳に聞きなれた少年の声が聞こえてきた。薄れていく意識の中で湖后腹はその声の正体が誰かを思い出す。 (この声、どこかで聞いたな、誰だっけ、そうだ、確か、いつも学校で会ってる奴だ、クラスメイトの―――――) 「ひ…ゃく……じょ……う……か?」 湖后腹は口に入り込んでくる水を吐き出し、ついに幻聴まで聞こえてきたか、と微笑しながらクラスメイトの名前を口にする。 答えなど返ってくるはずがない。そう諦めていた湖后腹。 しかしその予想は数秒後に 「いいザマだな、必要か? 助けが」 良い方へと裏切られることになった。 湖后腹がゆっくりと目を開くと、すぐ上で宙にふわふわと浮いている少年、風輪学園の第八位、百城が手を差しのべていたのだ。 「な……んで、お前が……」 「いいから早く俺の手を取れ、このままじゃホントに溺死するぞ、お前」 湖后腹は差しのべられた手を掴む。 百城の手は温かみを帯びていて、それは幻覚ではなかった。 9 「んで、どうして川なんかで泳いでたんだ?」 百城の能力、重力干渉《グラヴィティルーラー》によって川から引き上げられた湖后腹は百城から貸してもらっだハンドタオルで身体を拭いていた。 「泳いでたんじゃねぇよ! というかお前こそ何で第七学区にいんだよ、お前は中等部の寮……っていうか俺のすぐ隣りの部屋だろ!」 「相変わらず騒がしい奴だな、お前は。 ただ野暮用があっただけさ、ここには」 さらっと質問を流される湖后腹は百城に若干の苛立ちを覚える。 風輪学園には同学年のレベル4は一つのクラスにまとめられる風潮があり、その為必然的に入学当初から湖后腹と百城とは同じクラスであった。 中学三年となった今でもお互い仲睦まじい関係というほどのものではなく顔を見ればたまに話しをするくらい。 「そうかよ……」 「それよりまだ答えて貰ってないぞ、俺の問いに。どうして川で溺れてたんだ?」 「溺れてねぇ……いや、まぁ、そうか………」 湖后腹は風紀委員とは無関係の百城に風輪学園の現状を伝えてよいか迷ったが、助けてもらったこともあるので仕方なく話すことにした。 湖后腹の説明に百城はピクリとも表情を変えずただ真剣にそれを聞く。 「―――――という訳で、俺は手錠を取り戻す為に川に飛び込んだんだ」 「………、相変わらず無茶をするな、お前は。」 百城は少し笑いながら言った。 「……自分の通っている学校がこんな状況だというのに、あんまり驚かないんだな。」 「普通だと思うぞ、こんぐらいのいざこざがあるくらい。むしろ今までが平和過ぎたんだよ」 「そう、なのか?」 そんな中、不意に携帯のメール受信音が鳴る。それは湖后腹のものではなく百城の携帯からだった。 ゆっくりとした動作で携帯の画面を開く百城。 「……なるほど、その件でどうやら“お前等”のリーダーは“俺達”を頼ることにしたらしいぞ」 携帯の画面を湖后腹は覗き込むようにに見る。そこにはこう書かれていた。 【本文】やあ、風輪学園のレベル4の諸君。風紀委員の破輩妃里嶺《はばらゆりね》だ。 急な話しだが明日、風輪学園の会議室に集まって欲しい。詳しくは明日追って説明する。 これからの風輪学園を大きく左右する大事な会議だ。必ず参加してくれ。 追記:こないとシバくぞ☆ 「お前も含めて……なかなかにハッチャケてるな、風紀委員の人間つーのは」 「ハッチャケてねーよ! これが破輩先輩の平常運行なんだよ!」 あぁそう、と百城。 「そんな事より百城、お前明日の会議に出るのか?」 湖后腹の問いに百城は一言。 「出ねぇよ、もちろん」 湖后腹はその答えに怒りを通り越して憐れみを感じていた。あの破輩先輩に逆らった奴の末路は土下座しながら泣いて謝るのが基本でそこに例外は存在しない。 「まぁ、いいけど。死ぬなよ百城」 「死にかけた奴が何言ってんだよ」 そう言うと百城は立ち上がり 「んじゃ、俺は帰る。しっかりと身体を乾かしておけよ」 くるり、と湖后腹に背を向け歩きだしていった。 どんどんと遠ざかっていく百城の背に湖后腹は最後に大きな声で叫ぶ。 「助けてくれて、サンキューな」 「溺れてた奴を助けるのはこれで二回目だし、気にすんな。」 百城の姿が見えなくなると、湖后腹もその場を去ることにした。 手には水分を吸って重くなった制服とただ一つの手錠だけを持って。 「とりあえず、佐野先輩に合流しないといけないな」 10 風輪学園の高等部男子寮の屋上。 そこで一人の少年がフェンスに寄り掛かりながら学園都市の夜景を眺めていた。 時折吹く風によって少年の髪はたなびき、所々染めている金髪と黒髪がバサバサと交じり合う。 少年の表情はまるで汚い物を見るかの様に嫌悪感だけが突出していた。 「いつ見ても……この街は腐ってやがるな」 そんな風に毒づく少年の後ろから一人の男が歩み寄ってくる。 「よう、ご無沙汰してるぜ」 少年は後ろを振り替えらずに答える 「木原か………何の用だ」 茶髪にコーン・ロウの男、木原一善はニヤニヤと笑いながら少年に話し掛ける。 「久々の再開だっつーのに、相変わらずツメテーな」 「………、」 「話がある、これは俺達、復讐者《アヴェンジャー》にとって深刻な問題だぜ?」 一善の思わせぶりな発言にも少年は大した興味を見せず、微動だにしない。 しばらくの沈黙の後、口を開いたのは少年の方だった。 「大方……風紀委員に見つかったといったところだろ」 「はっ、大アタリって所だな。よくわかったなリーダーさんョ」 少年は自分の携帯を開くと、一善の方へと投げ渡した。 「おっ、……と、なんのつもりだョ」 「そのメールの内容を見てみろ」 「あぁ? “やあ、風輪学園のレベル4の諸君………」 一善はそのメールに書いてある内容を読み始めた。 それを読み終えた所で 「ブ、ハハハハハ、ついにあのババアが本気を出すってことか、しかもレベル4の力を借りようとしてるとはなぁ。こいつ傑作だ。ギャハハハハ」 少年は未だにそんな一善に背を向け、ただ夜景を眺め続けている。 「でェ、お前はその“力を貸す立場のレベル4”に入ってる訳だがどうすんだリーダー? いや―――――」 一善は言い直して 「風輪学園の第六位、黒丹羽千責《くろにわちせき》さんョ」 黒丹羽と呼ばれる少年はそこで一善の方を向くと 「あっちの動きを把握しておけば、俺達がこの先どう動けばいいかも必然的に見えてくる」 そう言い放ち、一善から携帯を取り返してポッケに閉まった。 「つまり“風紀委員に協力する形であっちの情報を抜き取る”って訳か。オモシれぇじゃねぇか」 「どうだかな………」 黒丹羽はそうポツリと呟いて空を見上げる。屋上では先程よりも風が強くなり、吹き荒れ始めていた。 まるで―――――この先の嵐を告げるかの様に。
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418 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/09(月) 23 09 57 [ Aiu1dY96 ] 昼寝してたら酷いカオスな夢を見た。 川島な○みの漫画道場コーナーでZUN?さんが授業受けてて、 物凄く真剣な顔してたから悪くなって立ち去ったんだ。 んで、鶴太郎画伯が突然道に出てきてちんちん泣くみすちー?と思われる物が入った 袋を背景にマッチのものまねをやりはじめてなにこれって思ってたら ヘッドショット鬼畜?と思われる人が満面の笑みで鶴太郎画伯をヘッドショットして 火事になって、大ちゃんが急いで飛んできて風を起こして火事を延焼させて、 風上を見たら博麗神社があって宴会中なのにも関わらず博麗神社が炎上して 腋巫女がマジ切れして飛んできたら、「それは私だ」とかいいながらZUN・カオス? とハバネロ真祖?が出てきて、その二人を纏めて鬼畜がヘッドショットして、 二人が血を吐いてぶっ倒れたらゆかりんがスキマから飛んできて 「あなたは幻想郷には危険な人物なのよ!」とか言いながら必死で鬼畜からヘッドショット受けながらスキマに押し込もうとしてたから 「何かこの二人をどこかにやる道具を・・・」と思ったら金属バット?が出てきたから二人纏めてスキマにホームラン。 ついでにZUN・カオスとハバネロ真祖もスキマにバットで叩き込んだ。 もしやと思って「幻想郷を破壊する物を・・・」と思ったら核爆弾と思われる物が出てきたから投げようとしたら スキマから急いで出てきたゆかりんナイスキャッチ。 そのまま「貴方も危険なのね!」とか言いながらスキマに落とされた ところで目が覚めた。 419 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/09(月) 23 18 24 [ Z6Sk5DB. ] 418 そのバット、『北条悟史』とか名前書いてたら完璧 420 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/09(月) 23 30 26 [ Aiu1dY96 ] 419 それまだ幻想になってねーよ・・・www 421 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 01 43 34 [ cmyBB366 ] 418 他人の夢にチョッカイ出したせいでこのスレの変態どもが幻想郷へ。 ゆかりんも自業自得ながら大変だな…… 422 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 07 17 15 [ ah5VTfPU ] 食料としてはちょうどいいのかな? すこし脂肪分高そうだけど 423 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/10(火) 07 33 05 [ L73W5bIk ] ハバネロ真祖はハバネロ味ってゆゆ様半分死んだ目で言ってた 現実 カオス
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前原圭一 製作者 ELE ◆特徴 縦横共に加速度が高いため、小回りの効いた立ち回りができる。 凶器を使った大技も持つバランスタイプだが、前のめり気味のためか打たれ弱い。KOOLになれ! ◆武器・アイテム 鈍器…青=バット(特) 赤黄=シャベル 刃物…赤黄青=斧 投擲…青=かぁいいぬいぐるみ 赤=レナの作ったおはぎ ◆通常攻撃 ○攻撃1キー 地上ジャブ エルボー 浮かし連撃(キャンセル⇒アッパー)…上方向に飛ばす アッパー(弱)→蹴り飛ばし…横方向に飛ばす、合計ダメージは3撃目キャンセルより多い ダッシュ雛見沢の名物男・ツンデレねこみみメイド…突然相手を蹴る 雛見沢の名物男・白鳥ドレスに身を捧げても…迷惑な回転行為を行う 雛見沢の名物男・どじっこうさみみメイド…さりげなく相手に体当たりを仕掛ける 空中斧振り下ろし…上方向にクリティカル判定のある攻撃 ○攻撃2キー 地上キメポーズ(無判定) エコノミー圭一・固定…妙な鳴き声と共に相手を担ぎ上げる エコノミー圭一・移動…操作可能、妙な鳴き声と共に相手をなぎ倒す ダッシュアイアンフルスイング…大振りな近距離攻撃 空中バット空中三回転…実際は4回転、相手をひるませるが自分も軽く酔う ◆必殺技 地上水鉄砲(2発) 水鉄砲追撃連射(4発)…ダメージ上乗せの代わりにパワーを多く消費する ダッシュ衝撃のファーストウッディ!!…声優の都合でアルター能力に目覚めた圭一による一撃、パワー全消費攻撃 空中無し…バランス調整の為見送り(作者談) ◆武器攻撃 ○鈍器 バット(得意武器、モーション変化)アイアンフルスイングに似た性質の踏み込み攻撃 まるで誰かの叔父を打ちのめすかのような金属バットによる凶行 同上 同上 フィニッシュ シャベルどこかの転職前キャラのような突攻撃(キャンセル⇒踏み込んで前方に飛ばす) どこかの2次職キャラのような斬攻撃 ○刃物 斧まるで誰かの叔父に対する怒りを撒き散らすかのような左右への連続攻撃、仕様上空中では範囲が広くなる ○投擲 かぁいいぬいぐるみ何の変哲もない青いコアラのぬいぐるみ、レナに狙われている レナの作ったおはぎ血が出るほど美味いと評判のおはぎを投げつける ◆超必殺技 ○部活メンバー総攻撃 圭一のテーマソングと思しき曲と共に部活メンバーが現れ、KOOLな攻撃を展開する。 園崎魅音&園崎詩音…真っ先に飛び掛るが、空気を読まずおかしな方向に向かいがち(変装した詩音は攻撃性能が異なる) 北条沙都子…伝統と実績に定評のあるトラップを周囲に展開、唯一まともな攻撃とも言える 前原圭一&北条悟史…流行に遅れまいと何故か超必殺技の最中に踊りだすが、特に害は無い 竜宮レナ…攻撃に参加してはいるが、明らかに当初の目的を見失っている 古手梨花…顛末を見届けた後、圭一に渇を入れ退場
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大都会交響楽(裏) ◆BOMB.pP2l. 教えてあげよう。人生の喜びを、悲しみを、そして終焉を。 人と人の縁。 相対したり同じ方を向いていたりまたは全然違う方を向いていたり、 触れ合ったりかすりもしなかったりあるいは全然気付くこともなかったり、 同じ場所にいるのに全然関係なかったり、違う時間にいたのに強く関係していたり、 人と人との間にある縁――運命は、俯瞰の視点で見れば時に”交差点”と例えられることがある。 それに気付いてみよう。 これはあの一時。交差点を通り過ぎた十人の人間のすぐ傍を掠めた、ある一人――11人目の少年の小さな物語。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【三村信史 編 ~The wrong man 三~】 [06:00] 捲れ上がり畑の様に耕されたアスファルト。暴風が吹き荒れたかの様にまとめて薙ぎ倒されている街路樹。 大小様々に散乱したコンクリート塊に、キラキラと陽光を跳ね返すガラス片の数々。 まるで怪獣が通り過ぎたかの様な酷い有様の市街地。 その影。目立たない路地の奥に学生服を着た一人の少年の姿があった。 「――どういうことなんだ?」 少年――三村信史は誰に向けてでもなく呟く。 彼の手には一本の鉛筆。そしてもう片方の手には丁寧に印を打たれた参加者名簿と地図があった。 「殺せた……んじゃあ、なかったってことなのか」 名簿の中にある”柊かがみ”という欄には脱落を意味する線は引かれてはいない。 殺したはずの彼女が名乗った”クールなロリスキー”という名前の欄についてもそれは同じだった。 つまり、それは殺したはずだと思っていた彼女の名前が放送で呼ばれなかった――まだ生きているということに他ならない。 「今からでも止めを……いや」 三村は路地の中から出て通りの南の方を見やり、そして首を振った。 相手がどういった状況であろうと化物であることには違いない。 となれば切り札を使い切り金属バット一本しかないという現状ではそれは死に行く様なものだ。 ダメージを与えた――という結果で納得し、追撃の機会を欲張らないのがCOOLな男の行動というものだろう。 「ヘバっていれば禁止エリアに捕まって死ぬかも知れないしな」 フッと三村は鼻で笑う。 柊かがみが倒れた橋の上は後一時間足らずで禁止エリアに指定される。 彼女が気絶などをしていればそのままボンッだ。そうでなくと放送を聞き逃すだけでも構わない。 三村からしたらツいている。逆に柊かがみからすればツいてない。そういう事実だった。 「……しかし、川田が死んだのか」 素性の怪しい得体の知れない同級生ではあったが、ここでなら共闘もありえたかと思うと彼の死は残念だった。 もっとも、それで取り乱してしまうなどとはCOOLではないので、彼は10人と言う死者の数に対しても冷静に受け止める。 はなからそうではあったが、これは最早プログラムでもなんでもないのだ。 ならば、三村信史はそれを打破するためにサードマンとしてただこの舞台の上で全力を尽くすのみである。 「COOLだ……COOLに行く」 唯一の武器である金属バットを握りなおし、三村は放送局を目指し通りを北へと向けて歩き始める。 ★ ★ ★ [06:15] 大通りに沿って北上し、風景が破壊されたものからそうでないものへと変わった所らへんで三村は”それ”に気付いた。 「足跡……?」 アスファルトの上に残った赤色の足跡を三村は指先で触れる。それは 【 血痕 】 であった。 見てみれば、それは南から北へと向かい微かながら点々と続いている。 【TIP】 「血痕」 暴走した小早川ゆたかの一撃により致命傷を負った十代が流し、地面に残ったもの。 足跡は彼を背負う忘却のウッカリデスのもので、丁度今頃彼らは例の交差点へと差し掛かっているあたりである。 「歩幅がいやに狭い。それにこの血の量……重傷を負っているってことか」 地面に残された僅かな痕跡から三村は冷静に情報を読み取る。 そこから想像できるのは怪我を負った人間。あるいはそれを背負った人間が北へと向かっているということ。 敵となるか味方となるかは不明だが、敵ならば追い打つ好機。味方ならば助ける必要がある。 それを追わない理由は彼の中には存在しなかった。 ★ ★ ★ [06:35] 追っていた血痕は元々それほど目立つものでもなく程なくして見えなくなってしまった。 血とは乾きやすいものであるし、常時垂れ流してでもいない限りそれは当然のことだろう。 しかしそれで三村がその足跡の主を見失ったかというとそんなことはない。 「怪我してて、この方角っていうなら病院だろう」 地図を見直して正しくそう推測する。頭をCOOLに働かせればそれは造作もないことだ。 放送局へと向かうことを一旦置いて、三村は更に通りを北へと進んでゆく。 その視線の先に負傷した少年を背負う細身の青年の姿が見えたのはそれよりほどなくしてだった。 「見た感じ、負傷した仲間を……って風だな。悪いやつらじゃあなさそうだ」 しかし油断は禁物。あくまでCOOLに物事を見定めるぜ。と、三村はすぐには接触しようとはせずその様子を伺う。 目の前を行く青年の足取りは頼りない。いくら人を背負っているといってもフラフラとしすぎだった。 同じ学生服に身を包んでいるがあっちはがり勉タイプか? じゃあ、そろそろ話しかけて手を貸してやるか。と、三村が足を速めたと同時に前を行く青年が足を止めた。 「(気付かれた!?)」 罠か? と、三村はぴたりと足を止める。 がしかしそれは思いすごしだったらしい。見れば通りに面した家の窓に彼らを呼び止める少女の姿があった。 三村のいる場所まで声は届いてこないがどうやら互いに既知の間柄である様に見える。 ならば殺し合いに乗っていない人間かと判断し、三村も近づこうとして……そして、気付いた。 「(――あの制服! まさかっ)」 窓から青年を呼び止めた少女の着ている制服があの柊かがみの物と同一であることに気付き三村の足が止まる。 魔女である柊かがみ。その妹であり恐怖の対象である柊つかさ。そして先程見た同じセーラー服の化物少女。 そしてあの最初の場所で見た不可解な力を使い、そして殺されたこれも同じセーラー服の少女。 柊かがみが口にしていた 【 泉こなたと地球破壊爆弾 】 という名前から彼女に仲間がいると推測するのは容易い。 そして、彼女自身と最初の場所、瓦礫の中で見た少女が揃って同じセーラー服を着ていたことをCOOLな三村が見過ごすはずがない。 あのセーラー服を着ている者は魔女。明晰な頭脳を持ってすればそれを推測することは容易かった。 【TIP】 「泉こなたと地球破壊爆弾」 COOLな三村は気付いていないが、目の前にいる少女がまさに柊かがみ(だと思っているクールなロリスキー)が 名前を出した泉こなたと地球破壊爆弾本人である。 この時、彼女達が三村に気付かなかった(?)のは十代の血の匂いに気を取られていたから。 よく観察すれば窓の中には他にも人間がいるらしいと解る。 そしてその内の一人が窓から顔を出していた少女とそっくりだと気付き、しかも血塗れであることに三村は驚いた。 だが血塗れの少女が怪我を負っている様子はない。平気な風に立ち上がっている。つまりは―― 「(返り血ってわけか)」 ――そういうことに違いない。COOLな頭脳はここにきて冴え渡っていた。どんな 【 些細なことも見落とさず 】 答えを導き出す。 「(あの男の血も必ずしも自分の物とは限らないよな。 背負われているのは寝ているだけかも知れない。迂闊に声をかけようとせず大正解だったぜ!)」 三村はにやりとほくそ笑むと物陰へと移り、いくらかの情報を得るためそっと彼らが潜む民家へと近づいた。 【TIP】 「些細なことも見落とさず」 些細なことかどうかは各々の主観によるところもあるが、チャイナドレスを着ている6/氏が男だとは三村は気付かなかったらしい。 その存在の特異性ゆえに外見描写が省かれがちな彼ではあるが、だからと言って気付かないのはちょっとKOOLなのかもしれない。 ★ ★ ★ [06:55] 「やっぱり……あいつら」 怪しげな六人組が病院の中へと入っていったのを見送り三村は舌打ちをした。 気付かれない為に距離を置いて尾行していた為に会話の内容までは読み取れなかったが、 一番後ろを歩いていた 【 赤毛の女 】 がしきりに柊かがみの名前を口走っていたのを彼は聞き逃さなかったのだ。 【TIP】 「赤毛の女」 結城奈緒のこと。中学三年生であり、何気に三村信史と同い年であったりする。 そして柊かがみや泉こなたは高校三年生。見た目じゃわからないものですよねー。 そして、小学生の様に小さなセーラー服の少女が眠っている少年を軽々と背負い運んだことも彼は見逃しはしない。 最初に背負っていた男があんなにフラフラだったのは、その少年が見た目によらずよほど重たかったのだろう。 それをあの小さな身体で軽々と……もはやそれは間違うことなく魔女の証だ。 本性は先程見た化物少女と同一なのだろうと容易に想像することができる。 「あいつらが根城にするっていうなら、火でもつけてやるか? ……それともどっかで爆弾を作れば」 三村は離れた位置から病院を見ながら思案する。 先程も言ったが現在の手持ち武器は金属バット一本のみ。これでは例え相手が普通の人間でも六人相手じゃ無謀すぎる。 そして勿論あの六人組は尋常でない魔女の眷属なのである。となれば真っ当な手段で打ち崩すことは不可能だろう。 それこそ魔女狩りよろしく建物に火をつけるなりするしかない。 確実を喫するならば爆弾……いや、それよりもはるかに強力な武器が欲しいところだ。 「とりあえずは放送局に向かってあいつらの危険性を……と、肌寒いな。海風か……?」 日が照ってきたというのに妙に寒い。と、三村は空を見上げようとして”それ”に気がついた。気がついてしまった。 「………………~~~~っ!!」 虫。 【 蜘蛛 】 と形容すべきような何かが病院の白い壁の上を徘徊していた。 四本の節くれ立った脚を器用に動かして垂直の壁の上をまるで地面の上であるかのようにすいすいと動いている。 クラスの女子みたいにただの虫に悲鳴をあげるような三村ではなかったが、しかしその虫は異様で大きかった。 【TIP】 「蜘蛛」 バルキリースカートを装着した桂言葉のこと。 ヤンデレ全開の言葉がバルスカ使って壁を登っていたら、どれだけCOOLな男であろうともビビる。 ちなみに、この時言葉をつけていた長門有希は一足先にこなた達へと接触し爆弾が十代にかけた情報操作を解除していた。 ゆえに長門と三村は互いにその存在に気付いていない。 本能が最大級の警鐘を脳内に鳴らしていた。自分の中で自分の逃げろと言う声が幾重にも反響する。 だが、蛇に睨まれた蛙とはこのことを言うのか三村の身体は震えるばかりで、全く自分の意思に従ってはくれなかった。 できることと言えば、悲鳴をあげてこちらに気付かれてしまわないように口を両手で塞ぐことぐらい。 ”…………コトクンマコトクンマコトクンマコトクンマコトクンマコトクンマ…………” 風に乗ったのかその何かの発する音が三村の耳へと少しだけ届く。 それは聞く者から正気を奪うような底知れぬ不の感情が含まれており、悪魔を召喚する呪文の様でもあった。 この後、三村に出来たのは蜘蛛の様な何かが視界の外へと消えるまで必死に正気を保つことだけだった。 ★ ★ ★ [07:15] 病院から通りを南へと、COOLさの欠片もなく全力疾走する三村の姿があった。 その端正な顔は恐怖に強張り、手足はバスケットをプレイしている時とは全く違うぎくしゃくとした動きを見せている。 みっともない遁走……そうとしか言えない様な情けなさである。そこにCOOLなサードマンの面影はない。 「……ハァハァ、……ハァハァ、……ここまでくれば」 交差点へと差し掛かったところで三村は足を止めて額の汗を拭う。 若さとスポーツの経験のおかげか、あの病院より1キロメートルほど離れるのにも時間はそうかからなかった。 もっとも、それが逃げ足だけは速い……などと評されては不名誉極まりないことだが。 「ぎ、逆に考えるんだ……あの化物同士が潰しあえば俺の手間が省けるってな」 ただ逃げるしかなかったという事実を覆い隠すかのように三村は言い訳めいた理屈を並べ立てる。 相手の人数が多かった。相手は化物揃いだ。こっちはただの人間。武器は金属バット一本しかない。 化物同士をぶつけ合えば労せずして漁夫の利が得られる。それは冴えたやり方。無謀と勇気は同じ意味ではない。 「……俺には、まず魔女の危険性をみんなに伝えるって仕事があるんだ。一人で戦うことじゃあない」 COOLな脳内で生み出される理屈はどれも間違いではない。 頭が回る人間ならば誰であっても彼と同じ様に考え、そして同じように動いたであろう。 だがしかし、その選択が恐怖に追われたからのものであり、その恐怖に屈したという事実は決してCOOLとは言えなかった。 「ハァ……、放送局はこっちか……と、うわぁ……っ!」 東の方へと歩き出そうとして三村は何かに足を滑らせてそこにしりもちをつく。 「な、なんだ……これ? ベトベトするし、なんか嗅ぎ慣れた匂いが……?」 手やズボンについた 【 白濁液 】 を拭いながら、三村は運命の交差点を東へと独り抜け出してゆく。 そして歩き始めて数分後。大きな音を背後に聞き、 【 信号機が倒れる 】 のを目撃すると今度は逃げ……走り出した。 【TIP】 「白濁液」 阿部さんが交差点の真ん中で自家発電した際に排出された液体。 別に身体に害のあるものではないが、匂うし乾くとガビガビになるので洗濯するならお早めに、と言いたい。 【TIP】 「信号機が倒れる」 三村が交差点を抜けた直後にやってきたラッド・ルッソの仕業によるもの。 今回の小さなな物語はこれに終了するが、かのように三村の運命は幕間を縫うようなギリギリのものであった。 物語は書き綴られることでその可能性を収束させる。とすれば一つのシーンは一つの奇跡なのかもしれない。 【C-6/市街地・放送局付近/1日目-午前】 【三村信史@漫画ロワ】 [状態]:健康、学ランが白濁液まみれ、KOOL [装備]:金属バット@ニコロワ [持物]:デイパック、支給品一式、光の護封剣@ニコロワ [方針/行動] 基本方針:魔女の犠牲者を出さない。 1:放送局に向かい、放送を利用して魔女の危険性を広く伝える。 2:自分に同調する仲間を集め、魔女達に対抗できるようにする。 3:魔女やその仲間は殺す。 [備考] ※登場時期は漫画ロワ185話「誰がために」の直後からです。 ※柊かがみが自分と同じ殺し合い(漫画ロワ)から来ていると思い込んでいます。 ※柊かがみと同じ制服を着た者は全て魔女かその仲間だと思いこんでいます。 ※現在、以下の人物を魔女やその仲間だと認識しました。 [魔女]:柊かがみ [名前を聞いた]:柊つかさ、泉こなた、地球破壊爆弾No.V-7 [姿を見た]:小早川ゆたか、泉こなた、地球破壊爆弾No.V-7、6/氏、結城奈緒、忘却のウッカリデス、遊城十代 ※クールなロリスキーのことは柊かがみ本人だと思いこんでいます。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 こうして、ある一時の11人目の交差は一区切りを終えた。 しかしそれはやはり区切りを終えただけということで交差を抜けたKOOLな彼の物語はこの後も続く――…… 089:Dawn(暁、夜明け)(後編) 投下順 091:後夜祭 089:Dawn(暁、夜明け)(後編) 時系列順 091:後夜祭 065:彼 ら の 行 方 三村信史 114:RHK(らきロワ放送協会)
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さすがにサムライは格が違った 【Side A-Ⅰ】 明るさを取り戻しつつある、とある小さな島。 その南東に位置する、近未来的中学校が近くにあるエリアでは激しい戦いの跡があった。 そこを駆ける、小さな二つの影。 「銀時さん…大丈夫なんでしょうか…?」 湊智花。慧心学園初等部女子バスケットボール部のエース。 その傍らで弾むのはプププランドの住人、カービィ。 坂田銀時の指示により、急遽学校を離れることを余儀なくされた二人だ。 「ううん、絶対に大丈夫。だから…」 智花は坂田銀時という人物がどれほどの実力を持っているのかを知らない。 見た目はともかく、もしかしたらすごい人なのだろうか。 (もしもそうなら…どうするんでしょうか…) 智花は最後に見た、刃物を片手に持つ男の横顔を思い出す。 最悪の場合、誰かを傷つける、という結果になってしまうのだろうか。 それは嫌だなと智花は思った。 知り合ったばかりとは言えども、自分が知っている人がよくないことをして欲しくはないのが本心だ。 しかし、その反面に普通の人だったら、という不安もあった。 自分たちの為に無茶をしているのかも…と思うと心が痛む。 「はぁ…はぁ、カー君、大丈夫?」 「ぽよぽよ」 いつの間にかカービィをカー君と呼ぶようになっていた。 智花は体力にはそこそこの自信がある。 しかし、ここまで全力で駆けるとなると、身体の発達がまだ不完全な智花にはやや厳しいものがあった。 それに対してカービィは、あまり疲れている様子はない。 「あれ…?何だろ」 学校では何が起こっているのか気になって振り向いた智花は不思議に思った。 どこから現れたのか分からない火の玉が、こちら目掛けて飛んできていた。 危ない、と思ったのは遅かった。 もう少し気付くのが早ければ避けられたかもしれない。 それがどんな物なのか分からないまま、智花は目を閉じて、静寂を待った。 ―静寂は、来なかった。 「カー君!」 目を開けた智花が見た光景は驚くべきものだった。 自由気ままに振舞っていたカービィの目が途端に凛々しくなり、大口を開けて空気を吸い込んでいたのだ。 それだけではない。空気と一緒に、飛んできていた火の玉の総てを吸い尽くした。 またもそれだけではない。口を閉じるのとほぼ同時、飛び上がったカービィの頭に緑の宝石のついたバンダナが巻きつく。 そして燃え盛る炎を頭に纏う、ファイアカービィに名実ともに変身した。 【Side B-Ⅰ】 全開までのあらすじ おれはsいーダという女と行動をしていたところきょうきょキングべヒんもスの封印がとけられた! そこでふと幼女が外にいるのに気づき裏世界でひっそり幕を閉じるのを木の毒に思ったブロントは深い悲しみに包まれた ナイトを上げるのは真にナイトの人だからナイトを上げたくてあげるんじゃない上がってしまう者がナイト 自慢するわけじゃないけどシーダはブロントから特に信頼されてる3人の側近の1人 俺は「sいーダは名実ともに唯一ぬにの盾となってあの子たちを守ってやるべき」というとシーダは納得した ブロントさんはカカッと階段を華麗なステップで駆け上がりながら、問題の現場に向かった。 そこは、爆破の大体の衝撃で見れば一目瞭然だった。 さすがにあれほどの轟音を響かせていただけあって、辺りは瓦礫と埃で一杯だったし、相当の被害を受けているようだ。 教室の一室はほぼ全壊。机やら椅子、それに割れたガラスがスープの中身を溢した様にごった返していた。 「おいィ?」 ブロントさんは怪訝な表情を浮かべる。 それもそのはず、倒す対象であるキングベヒんもス、もといキングベヒーモスがどこにも見当たらないのだ。 そもそも教室の中に納まる程のサイズではない。 もし本当に存在していれば教室どころかフロアそのものが悲鳴を上げ崩れていくだろう。 そのとき、ブロントさんは崩れた壁に埋もれていたポケットの切れ端を見つけた。 瓦礫を退かし、砂と埃だらけのそれを拾い上げると中を見る。 「このポケットには何もないな」 決して何も入っていなかったわけではなかった。 武器にあたる支給品、すなわち特別支給品らしき類のものは一切見当たらなかった。 それから、水と食料は全て抜き取られていた。 それに対し、地図や筆記用具等の支給品はどうも入っているようだ。 「恥知らずの雑魚狩り専門がアワレな参加者をバラバラに引き裂いた」 ブロントさんの見解はこうだ。 この教室で、ある恥知らずの雑魚狩り専門が弱者に値する参加者を発見。 その恥知らずは一瞬の衝撃とともに誰かを殺害し、支給品を奪って逃走した、ということだ。 爆音からはそう時間は経っていない。ブロントさんとて行動は早かった。 ならばその恥知らずの犯人はまだ近くにいるはずである。 しかしブロントさんは追わなかった。 シーダが心配であると全く思わなかった、といえば嘘になるが、ブロントさんにはやることがあった。 それは死者の弔いである。 何処の誰かも全く知らないような存在なのかもしれないが、バラバラのままほっとくわけにもいかない。 と、思っていたのだが血痕はそこらじゅうに散っているが死体、肉片は見当たらなかった。 ならばエクスカリバでそのまま骨になったかというわけでもなさそうだ。 「このままでは俺の寿命がストレスでマッハなんだが・・」 ブロントさんは困ってしまった。 パンチングマシンで100とか出したり、不良界で伝説になったりしているものの、基本的に頭は弱い。 死んでしまった人の捜索一点ばかりを考えていたせいか、次に取るべき正しい行動が掴めなかったのである。 仕方ないのでブロントさんは両手を合わせ、少しだけ目を閉じた。 「で、今度はコスプレ野郎ですかコノヤロー」 「何いきなり話かけてきてるわけ?」 謙虚なナイトと、白い剣士の遭遇がこの瞬間だった。 【Side C-Ⅰ】 荒れ果てた砂浜。 戦いの爪痕が残る海岸の、直射日光の当たらない小さな隅で悶え苦しむ青年。 ゾンビ…相川歩は体を再生させていた。 絶体絶命のピンチである。ちなみにもう死んでいるのだが。 ゾンビとして日常生活を送っている彼にとって、日光は最大の敵だ。 太陽の光を浴びると、忽ち干からびてしまうのだ。 そういうわけで、歩は日陰でもぞもぞとダンゴムシのように這い蹲りながら自身の回復を待っていた。 「くそ…あれはバルバトスじゃねーかっ…!」 見覚えのある火の玉を見て、叩きのめしたバルバトスが再び暴れているのが分かった。 どうやら他の参加者と戦っているのだろう。詳細までは判断できない。 「だったら、行くしかないよな…!」 歩はゆっくりと立ち上がる。 昇りつつある太陽が歩の身体を焼き、水分を奪う。 しかし歩はそれを我慢。 体が熱い?無視すればいい。 「ノモブヨ ヲシ ハシタワ…」 しかし違和感に気付く。 いつもならここで淡いピンクの光が出てくるはずなのだ。 「魔力切れか!?」 それが主催による制限だとは気付かない。 とはいえ、自分がここで立ち止まる理由ではない。 ただひたすらに、今自分が何をすべきか、それだけを考えていたかのように。 走り出した。 足取りは重い。 【Side A-Ⅱ】 「ぶるああああああッ!!」 喧しく吠え、槍を振るうバルバトス。己の欲望をぶちまける為に暴れる反英雄。 狙うは赤い炎を操る丸い生物。 そして少し距離をおいたところに見える小さな桃色の少女。 闘争を求めるバルバトスにとっては幸か不幸か、ニアミスをしていた。 ブロントさんが教室に辿り着く前に校舎を飛び降り、宿敵である相川歩を屠らんといち早く移動していたのだ。 バルバトスはカービィの炎を槍で振り払っていなしながら思った。 「弱すぎる…」 先刻の歩との交戦がそれほどバルバトスを満足させるものだったのだろう。 カービィの炎程度では満足できるものが少ない。文字通り火力不足なのだ。 雑魚にムダな時間を費やすほどバルバトスは愚かではない。 「貴様に朝日は拝ませねえ!」 バルバトスが一度大地に触れると、周辺の土を盛り上げ瘴気が辺りを覆う。 所謂ポイゾニックヴォイドに打ち上げられたカービィの体は瘴気に包まれ、毒に侵されてしまう。 「カ、カー君!!」 智花の叫びも虚しく、カービィのコピー能力は解け、ピンク色に戻る。 しかし綺麗なピンク色とまではいかなかった。 毒に侵されたカービィは、多少紫がかった色に変わりぶるぶると痙攣を起こしていた。 バルバトスは無力化したカービィへの興味を失ったのか、海に向かって蹴り飛ばした。 ぼちゃんと音を立ててカービィはまるで土左衛門のように流されている。 (い、いけない!!早く救ってあげないと……!) 一方で智花の危険信号は既に灯っていた。 戦闘力はない、技術はない、そんな自分に出来ることがあるだろうか。 バルバトスがゆっくりと歩を進めるほんの僅かな時間に思考回路を張り巡らせて考えたが、策は何一つとして浮かばない。 せめて、せめてカービィが戦っている間にでも、逃げることができれば…話は変わってきただろう。 バルバトスが手を伸ばせば届いてしまうような距離にまで達したとき、言い放った。 「貴様ァ…鼠のように逃げおおせるか、この場で死ぬか、どちらか選べぃ!」 智花は恐怖のあまり何も言い出せなかった。 言わなければそのまま殺される、という考えが脳の片隅にもあったが、それでも動けない。 その言葉の中に、重要な言葉が含まれていたから。 (逃げる…?) 逃げる。 嫌いな言葉だ。 いつも自分が逃げてきてばかりいて、両親や友達に迷惑をかけてきた。 いつまでも成長しないまま、この命を掛け合うところでさえも、自分は逃げ続けなければならないのか。 もはや、自分がよかったらいい、だとか人のことはどうでもだとかそんな考えは捨てていた。 「私は…。私、は…」 (あの日昴さんと約束したこと。 私にとっては、すっごく大事なこと) だからこそ、言える。 「私は逃げませんっ!!絶対に!!!」 智花は凛とした態度で言い放つ。 両目にはいっぱい涙を浮かべているが、それでも声を震わせることなくはっきりと。 これが今の自分に出来る精一杯のこと。 これでもし殺されたとしても、悔いは残らない。死ぬ気で。そんな意思で。 「ふっふっふっおめでたい奴だ!では今死ね!」 バルバトスは口を吊り上げ声高らかに笑うと、右手に持った槍を振りかぶった。 智花はその先端の刃に反射する太陽の光を見つめていた。 "死"から逃げることがないように、じっと目を開けたままでいた。 【Side B-Ⅱ】 突如としてブロントさんの背後に現れたのは白髪天然パーマの侍。 死んだ魚のような、気の抜けた目をした向上心ゼロの男、坂田銀時である。 彼もまた、中学校の一室で起きた異変を調べる為にここへと足を運んできたのだ。 「…」 「…」 両者は目が合ったまま微動だにしない。 痺れを切らしたのは銀時のほうだった。 「お前さ、ここで何やってたんだ?」 「何か用かな?」 質問を質問で返すブロントさん。恥知らずなナイトがいた! 会話にならないことに不快感を示したブロントさんが口を開く。 「これはお前がやっtあのは確定的に明らかキルソードでバラバラに引き裂いてやろうか?」 「はぁ?」 ブロントさんの繰り広げるブロント語ワールドが銀時を包み込む。 馴染みのない人物にとってブロント語は違和感の塊でしかないのは確定的に明らか。 ブロント語の真理がわかってしまうやつは本能的に長寿タイプ。 「汚いなさすが侍きたない犯人を現場に戻るという名セリフを知らないのかよ」 ブロントさんは疑っていた。 自分の目の前に現れたこの男は間違いなく恥知らずの雑魚狩り専門で、 何かの理由があってこの場所に戻って来たに違いないということを。 あまり深くは考えることはないまま、ブロントさんは銀時に食って掛かったのだ。 「おいおい、何言ってるか分かんねーぞ。 アレか、キレやすい若者ってやつなのか?とにかく落ち着けよコスプレ野郎」 「ボコボコにされたいらしいな おれはリアルモンク属性だから手加減できないし最悪の場合病院に行くことになる」 「モンクだって言い張るなら剣なんて使ってんじゃねーよ、馬鹿かコノヤロー」 「いい加減にしろよてめーぶっ殺すぞこっちが礼儀正しい大人の対応してればつけあがりやがってよ」 元より銀時はドSである。 それに加えてあまり常識がないことに定評があったりするので、言いたいことをそのまま言う。 対してブロントさんは人の話をよく聞かないし、勝手な思い込みで行動をしたりする。 そして…肝心のブロントさんの煽り耐性はゼロに等しかった。 つまり、この二人の相性はというと、その…非常に非常に最悪だったのである。 「生半可なナイトには真似できないホーリー!」 「おおっと」 ブロントさんはキルソードを投げ捨てると、銀時目掛けてホーリーを詠唱する。 身の危険を感じ取った銀時は瞬発的にそれを飛び越えて回避する。 結果として、ブロントさんのホーリーは地面に大きな穴を開けて更に学校の破壊活動を進行させた。 しかし…それだけでは終わらず、ブロントさんは銀時の間近にまで距離を詰め、 自称パンチングマシーンで100を出すらしい雷属性の左を銀時にヒットさせようとオラオララッシュをしかける。 しかし、銀時もやるときはやる男である。 基本的に無気力でだらしなく適当だが、戦闘能力に関してはかなりものだ。 ブロントさんの拳の総てを避け続け、壁際に追い込まれることなく回避移動する。 そのとき銀時は、学校の外では紫色の光が輝いているのを見た。 外で何かが起こっているようだが、今はそれどころではない。 「おいィ?お前は戦闘中に余所見したりする余裕があるのか?」 「ちっ…」 ブロントさんの挑発に、これまで寛大だった銀時も多少の焦りを感じた。 逃がした二人に危険が迫っているというのは紛れもない事実である。 (クソ…どうする…) 坂田銀時には武士道がある。 それは、護ること。 自分が護ると決めたものは、絶対に護ろうとする意思がある。 正義感が強いといってもいい。兎に角、自らの大本である信念を曲げるつもりはない。 それが今まさに、崩れ去ろうとしているのだ。 それだけは、何があっても認めるわけにはいかない。 「ぐっ…!」 頭の一部を別のことに使っていた為か、ブロントさんの拳を避けきれないと判断した銀時は左腕で受ける。 さすがにリアルモンクを自称するだけあって、今の一撃は無視できるほどの威力ではない。 「今のがリアルでなくて良かったな、リアルだったらお前はもう死んでるぞ」 「一つ、名前だけ聞いておく!俺は坂田銀時、銀ちゃんとか銀さんでいいぜ」 「俺は実はででお四天王の一人Burrontだ」 銀時に殺すつもりはない。 一応後で収拾をつけるために名前を聞いておいたのだ。 勝負は一瞬。どうしても負けるわけにはいかない。 銀時はポケットから鉈を取り出す。 「黄金の鉄の塊で出来ているナイトが布装備のジョブに遅れをとるはずは無い」 「だといいな」 両者に緊張の汗が流れるが、油断はしない。 剣術ならば双方にとっても、専門職であり、尚且つ得意分野である。 「ハイスラァ!!」 「うおおおあああっ!!」 勝負は一瞬。一閃の輝き。 お互いに切り抜き、お互いに背中同士を向け合う。 しばしの沈黙の中、銀時がうつ伏せに倒れこんだ。 つまりこの一騎打ち、勝者はブロントさん、ということになる。 さすがにナイトは格が違った。 しかしブロントさんはその体勢のまま動かない。 否、動けなかった。 なぜなら―ブロントさんは立ったまま気絶し、身体を硬直させていたから。 「よっこらしょっと。峰打ちだ。死んじゃねぇだろ。 ったく、手古摺らせやがってよ」 銀時は立ち上がり、倒れた拍子に付着した濡れた血に怪訝な表情を見せるも、鞘に入った鉈をポケットに仕舞う。 そして、足早に校舎を後にし護るべき二人の元へと急いだ。 (間に合うといいんだがな…) 後編へ続く
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野手 名前 ☆ ノーマル アクティブ ぼくらのバット 4 × フルスイング シャイニーバット 4 鋭い眼光 ホームラン狙い スプリングバット 4 終盤の集中力 ジャストミート 猛虎バット 4 盗塁フェイク 流し打ち スターバット 4 メイクミラクル 前傾姿勢 投手 名前 ☆ ノーマル アクティブ ぼくらのバット 4 × フルスイング シャイニーバット 4 × 大声援 スプリングバット 4 × ベンチから激励 猛虎バット 4 × 配給分析 スターバット 4 × 大声援 装備についての情報募集中です! ステータス、画像などの情報がありましたら、掲示板などでお知らせください。 名前 コメント すべてのコメントを見る